25話 E型肝炎と妊婦
今、話題のE型肝炎は、潜伏期間は6週間で、A型肝炎よりも長く、一過性の急性肝炎で、慢性化はありません。水、食べ物を介して感染するため、衛生環境が整っていない南アジア、東南アジアで多く発生します。本来は、感染力が弱い肝炎ウィルスですが、爆発的な流行があり、世界最大の流行は中国の新疆ウィグル自治区で、1986年から88年に発生し、患者数は10万〜15万とも言われています。福岡市の10%の人たちが感染したことと考えれば、相当な数です。
日本では、E型肝炎は、開発途上国からの輸入物で感染する例が多かったのですが、最近は、、猪肉、鹿肉からの国内感染が報告されています。今度は、食用の豚肉から感染したとのことです。内臓にはウィルスの集積率が高いとも言われており、火を十分に通していない内蔵を食べる時は要注意です。E型肝炎ウィルスは、熱に弱いので、しっかり火を通せば、感染する機会は随分減ると考えられます。E型肝炎は、劇症肝炎への移行率が高く、妊婦が感染すると重症化するケースがありますので、妊婦の方は、生肉の摂取は控えられたほうが良いでしょう。
岡部・浦川クリニック