2004年12月から、ペグイントロンと言う新しいペグインターフェロンが登場しました。1年前に、別のタイプのペグインターフェロン(ペガシス)は既に登場していたのですが、新しいペグインターフェロンは、抗ウィルス薬のリバビリンとの併用が保険で認められたことが、特徴です。従来の、週に3回投与するインターフェロンとリバビリンの併用は、高ウィルス量の難治例に対して、かなりの効果を認めていました。しかし、週に3回投与することは、時間的、経済的な制約が多く、また副作用の頻度も高く、6ヶ月間治療を続けることが難しいことが多々ありました。今回のペグインターフェロンは、週に1回投与で、リバビリンとの併用ができ、副作用の頻度が少なく、また高ウィルス量の難治例に対して、従来の治療より、成績が良いとの報告です。
シェリングプラウ社のデータでは、投与終了後6ヶ月のウィルス陰性率は47%〜62%で、従来の治療の18%と比較すると、大幅に改善しているとのことです。また、難治例(850KIU/ml以上、セロタイプ1、ジェノタイプ1b)のウィルス陰性率は50%で、従来の治療の16.5%を大きくしのいでいます。
さらに、2007年3月から、別タイプのペグイントロン(ペガシス)とリバビリン併用療法が認可されました。今まで、ペガシスは単独での投与しか認められていませんでしたが、あらたにリバビリンとの併用が可能になり、治療効果が期待されています。中外製薬社のデータでは、セロタイプ1の高ウィルス量に対して、初回治療で55〜65%、再治療でも50%の著効を認めています。以前、ペグイントロン+リバビリン治療で効果がなかった方にも、もう一度ウィルス陰性化を目指すことが可能になりました。
岡部・浦川クリニック