C型肝炎に対する治療戦略は、大きく二つ有ります。@肝炎の原因となるウィルスを排除する原因療法。A肝機能を改善して肝炎の悪化を防ぐ対症療法。別名、肝庇護療法があります。@はインターフェロン治療。AはキョウミノCの注射。グリチロン、ウルソの内服療法です。原因療法で効果がなかったり、インターフェロンの導入が難しい場合に、対症療法を行います。しかし、Aの治療のみによる肝機能(AST,ALT)の改善だけでは、肝癌の発生を抑制するには限界があります。ここで、長期的に少量のインターフェロンを持続投与することで、ウィルス量を低下させ、肝癌の発生を防ごうとする治療法があります。キョウミノCの点滴を週に2〜3回、インターフェロンを週に1回投与を長期に続けることで、、抗炎症療法と、抗ウィルス療法の二つを、同時に行います。これにより、AST,ALTの値を低下させ、ウィルス量を減量して、肝炎の進行を防ぎ、肝癌の発生を抑えます。2004年12月から、ペグインターフェロンは認可され、このインターフェロンの投与ができるようになり、週一回の投与でも、抗ウィルス効果はさらに期待できると予想されます。インターフェロン治療で効果がなく、ウィルスが残存し、AST,ALTの異常値が続く場合は、キョウミノCとインターフェロンの少量長期投与が理想的な治療です。
岡部・浦川クリニック