B型肝炎の抗ウィルス治療薬として、ラミブジンが注目をされています。ラミブジンは、エイズの治療薬として開発され、その後B型肝炎ウィルスにも有効であることが判明しています。ラミブジンはDNAウィルスの逆転写酵素阻害剤で速攻性の抗ウィルス薬です。これまでのB型肝炎の治療目的は、HBe抗原の陰性化、HBe抗体の陽性化、即ちセロコンバージョンをめざしていました。しかし、セロコンバージョン後にも、肝癌の発生率の低下は確認されておらず、セロコンバージョンは、基本的な病態の改善には、直結しないと認識されました。現在では、セロコンバージョンに加えて、肝炎ウィルス量を低減させることが、究極の目的である肝癌の発生率を低下させるとする考えが主流を占めてきました。ラミブジンは、インターフェロン治療では限界があるウィルス量の低減効果が強く認められています。
ラミブジンの投与対象条件を列記すると、@B型肝炎ウィルスの増殖を認める。A肝機能の異常を認める。BHBe抗原の陽性、陰性は関係ない。C無症候性キャリア、他の治療法により肝機能検査値が正常範囲内に保たれている症例は除く。となります。つまり、現在の治療で、肝機能がコントロールできない症例。早晩、肝硬変に移行する症例などが、対象例になります。
岡部・浦川クリニック