2003年の冬から、ペグインターフェロンと言う新しいインターフェロンが登場しました。ペグインターフェロンは、従来のインターフェロンにポリエチレングリコールを共有結合させた化合物です。この結合によって、皮下投与後の血中移行性を低下させ、腎臓からの排泄を抑制し、長時間にわたって、生体内に存在し、より持続的な効果を維持できることが可能となります。今までのインターフェロンは、約一日で、血中濃度が半減するため、週に3回以上の投与を余儀なくされていました。しかし、ペグインターフェロンは、週に一回の投与で、その効果を維持することができます。
 ペグインターフェロンは2種類あり、IFNα2a群とIFNα2b群です。そのどちらともインターフェロン単独治療との比較試験が行われていますが、著効率は高く、前者で39%、後者で23%でした。しかし、後者は、投与終了後の再燃率が高いことが判明しています。さらにペグインターフェロン+リバビリン併用療法も、比較試験が行われており、著効率が54%とする結果が報告されています。この治療法が、C型肝炎の最終治療法になる可能性が高いと言われています。
 2004年11月現在、ペグインターフェロンとして投与されているのは、中外製薬のペガシスです。このペグインターフェロンはウィルス量が少なく、インターフェロンが効きやすいセロタイプ2型の症例に主に投与されています。これに加えて、、2004年12月から、シェリングプラウ社のペグイントロンの使用が始まります。このペグインターフェロンは抗ウィルス薬リバビリンとの併用療法の保険認可が認められており、高ウィルス、セロタイプ1の難治例症例にも有効であることが判明しています。ウィルス量が多く、ジェノタイプ1b、セロタイプTのケースでは、ペグイントロン+リバビリン併用療法が第一選択です。
 さらに2007年3月から、ペガシスとリバビリンの併用治療が認められ、治療選択肢がひろがりました。ここ3年の間に、これらの治療法は急速にひろがり、治療成績の向上が報告されています。







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15話 週一回のインターフェロン

肝臓小話