リバビリンは、経口投与によって、DNA、RNAの両方のウィルスの増殖を抑える効果があり、90年代の前半に、C型肝炎に対して、単独投与の治療薬として、試用されたことがあります。しかし、結果は満足するものではなく、C型肝炎の治療薬としては評価されませんでした。しかし、インターフェロンと併用することで、著明に効果が上がることが、98年の欧米の大規模な臨床試験により判明しました。特に、インターフェロン単独では、効果がなかったセロタイプT、ジェノタイプ1b型で、高ウィルス量の症例に対して、従来とは、比較にならないほどの効果を示し、難治例の慢性肝炎に対しても治療の道を拓くことができました。
リバビリン併用インターフェロンの初回治療では、ジェノタイプ1b型で、高ウィルス量群での著効率(C型肝炎ウィルスの陰性化率)は、40%〜60%です。従来のインターフェロン単独治療の成績は、2%程度ですから、約30倍の効果を認めたことになります。現在では、C型肝炎ウィルス量が、5logcopy/ml以上では、インターフェロン投与時には、リバビリン併用療法(24〜48週)がファーストチョイスになっています。この治療法では、1型で約50%、2型で80%のウィルス陰性率が達成されています。
リバビリンの副作用としては、インターフェロン単独治療以外には、貧血、鉄代謝の異常、白血球の減少、脱毛、皮膚症状の副作用の頻度が上昇します。特記すべき副作用は、貧血です。服用後、約1ヶ月後に、出現することがありますが、リバビリンを減量することで、貧血を改善することができます。
リバビリンの投与を控えるケースは、妊婦及び、妊娠の可能性がある場合です。精子に対する影響も報告されていて、男性の場合も、パートナーである女性が妊娠可能なケースでは、男性自身にも投与を控えます。
岡部・浦川クリニック