ペグイントロン+レベトール治療を続けた後、最終的には終了後6ヶ月でウィルスの判定を行います。この時点で、HCV-RNAが陰性の場合は有効例となり、慢性肝炎の再発はほとんどないと考えます。しかしHCV-RNAが陽性の場合、ウィルス学的無効例となります。この場合、様々なケースがあり、今後の治療方針は、大きく変わります。
@ペグイントロン+レベトール治療中、終了時、終了6ヵ月後もウィルス陰性化しており、治癒と判断する例。
Aペグイントロン+レベトール治療中はウィルスの陰性化は維持できるが、インターフェロンの投与が継続できないと、しばらくして、ウィルスが陽性となった場合。この場合、ウィルスが陽性でも、肝機能に異常がなければ、キャリア化の状態であるので、経過を見てよいケースです。しかし、肝機能に異常がある場合は、少量のインターフェロンの投与を積極的に行います。これは、ある程度のインターフェロン濃度を維持できれば、ウィルスの陰性化は難しいが、少なくとも肝炎の進展は遅らせることが、このケースでは有効と考えるからです。現在、少量のインターフェロンとしてはペガシス45〜90μgを2週間に1回の投与がすすめられています。
Bペグイントロン+レベトール治療に全く効果がなかった場合。肝炎の程度の指標であるALTをできるだけ、低下させる治療、いわゆる肝庇護療法を徹底させることです。キョウミノCの注射、ウルソ、グリチロン、ビタミンE、小柴胡湯、ある種の漢方薬の内服、瀉血治療などがあります。また、これらの治療に加えて、ごく少量のインターフェロン治療の継続も、肝硬変への進展を遅らせる意味で有効と考えられています。このインターフェロンとしては、短時間作用のインターフェロン、インターフェロンβなどがあげられますが、後者は経済的な負担が大きい点が問題です。












                     岡部・浦川クリニック



 25話  ペグイントロン+レベトール治療が効かなかった時の治療方針
肝臓小話