第27話 エンテカビルがB型肝炎の第一選択薬へ
B型肝炎の治療薬として、平成18年7月からエンテカビル(バラクルード)があらたに承認されました。この薬は、B型肝炎ウィルスのDNAポリメラーゼに対して選択的な阻害活性を有する抗B型肝炎薬として開発されました。そして、2005年アメリカで、2006年にはEUで認可されました。この薬の特徴は、耐性ウィルスの発現率が低いことです。今まで、B型肝炎の第一選択薬はラミブジン(ゼフィックス)でしたが、この薬には5年間で約半数の方に耐性ウィルス、変異ウィルスの発現を認め、再度肝機能障害が出現することが問題でした。エンテカビルにはその可能性が低いと報告されています。この薬の注意点は、服用するタイミングです。吸収率がおとるため、空腹時の内服が基本となります。また、主な副作用としては、下痢、頭痛、鼻咽頭炎などがあります。
2006年の消化器関連学会では、B型肝炎の第一選択薬として、エンテカビルが推奨されています。しかし、今までラミブジンを3年以上内服して、B型肝炎ウィルスが2.6log
copies/ml以下であれば、ラミブジンの継続投与を続けるべきと提言されています。では、そうでないケース、例えばラミブジン内服歴3年未満で変異ウィルスを認めていない場合は、ラミブジンからエンテカビルに変更すべきと言われていますが、これに関しては臨床の現場では、様々な考えがあると思います。